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 放射線治療開始
  2007年10月22日(月)

  陸玖の脳腫瘍は脳幹部にあるため摘出手術ができない。
  今できる最善の治療は放射線治療で脳腫瘍を少しでも小さくすることしかない。
  
  しかし、子供には難関が多い。
  
  放射線治療を行うにはとても大きい放射線治療機器を前にじっと横になって
  いなければならない。
  もちろん放射線なので治療中は部屋に一人きり、傍に付いていてあげられ
  ない。
  別に放射線を照射するといっても、音がする訳でも痛い訳でもないが、子供に
  とっては、知らない大きな部屋でビームが出そうな大きな機械を前にじっと動か
  ないで寝ててと言われても怖くて怖くてしょうがない。

  陸玖も、もちろん「怖い!」と嫌がった。

  少しでも怖がらないよう慣れるようにと、治療が始まる前に放射線治療の部屋を
  見学したり、看護師さんとお話してみたりしてみたけど、怖いものは怖いらしく
  放射線治療を嫌がる。

  どうしても嫌がるようなら、眠くなる眠剤を使用して治療することもできるけど
  毎回のように薬を使うのも陸玖の体が心配だし、眠剤を使用する場合は
  放射線治療は1日に1回しかできない。
  本来なら放射線治療は1日2回が理想らしい。その方が、治療も早く終わる
  みたいだし。。。

  放射線治療を躊躇している場合ではない、こうしている間も脳腫瘍はどん
  どん大きくなって行く。。。と思うと、どうにか陸玖に頑張って貰いたい。

  陸玖の調子がいい時に病棟のお風呂を借りて一緒に入浴した。
  お風呂に浸かりリラックスしなが放射線治療の話をする。
  絶対やりたくない!と言い張る陸玖に、何度もお願いする。
  放射線治療をしないと死んじゃうよ!とは陸玖には言えない。
  陸玖が怖がることは言えない。
  どうしたら治療を受けてくれるだろう。。。
  一生懸命お願いする。お願いしながら、涙が出てくる。
  泣いちゃダメなのに。。。最後には泣きながらお願いしてた。

  仲良しな従姉妹たちに、「放射線治療を頑張って!」と応援する手紙を書いて
  もらったり、携帯の動画に応援のメッセージを撮影したりと、あの手この手で
  陸玖を説得した。
  
  それでも怖いもの怖いのよね。。。

  放射線治療の1回目は、治療前にMRIの撮影もあったので眠剤で寝ていたので
  無事に終了。

  でも明日からの治療はどうなることやら。。。

  眠剤で寝ているところに、私の兄が見舞いに駆けつけてくれた。
  私の兄は数年前に、癌が見つかり苦しい抗がん剤治療を経験しているので
  癌の恐怖や治療の辛さを誰よりも知っている。
  陸玖の病気のことを両親に聞いて仕事なんてやってられない!と、すぐに
  駆けつけてくれた。

  本来、病棟内は両親、祖父母しか面会できない。
  親戚などは看護師長さんの許可を取らなければ面会ができないのだけれど
  せっかく遠くから来られたのだからと、少しだけならと部屋に通してもらった。

  陸玖は眠っているせいもあって、疲れてやつれた感じだ。
  そんな陸玖を見て涙が止まらない兄。


  放射線治療に使用するシェル(マスク)に本人の好きなキャラクターの絵を
  書いてもいいよ!と先生に言われていた。
  陸玖に何がいい?と聞いたら、『ボウケンブルー』と言っていた。
  昨シーズンにやっていたボーケンジャーにハマっていたもんね♪

  とは言われても私には絵心がないし。。。
  私の兄は絵が上手なんだけど。。。
  と思っていたら、タイミング良くお見舞いに
  来てくれたじゃない!
  さっそく兄に『ボーケンブルー』を書いてくれ!
  とお願いした。
  「急に言われても書けねーよー」と言い
  ながらサクッと書いてくれたのがコレ。


  目を覚ました陸玖は、このマスクを見て大喜び!
  最初はマスクを被るのも嫌がっていたけれど、ボウケンブルーになってからは
  自分から被ってくれた。
  すごい♪キャラクターパワー!

  涙を堪えながら書いてくれた兄に感謝です。

  このマスク、先生や看護師さんたちにとっても評判が良かったよ!

  放射線科の看護師さん達も、陸玖がどうしたら怖がらずに治療が受けられるか
  一緒に考えてくれて感謝です。

  大好きなボウケンジャーの曲を治療中に流してくれたり、ボウケンジャーの
  フィギュアを用意してくれたり、みんなが陸玖の為に一生懸命にしてくれる
  ことがうれしくて、ありがたくて、みんなの暖かさが伝わって私も泣いてばかり
  じゃ駄目だと元気付けられました。


  2007年10月23日(火)

  今日は、放射線治療2回目。
  昨日は眠剤を使ってMRIの検査の後に放射線治療を行ったので眠っている
  うちに治療が済んだけど、今日はバッチリ起きている。

  陸玖はめちゃくちゃ嫌がっている。
  そこへ五味先生が来て一緒に放射線治療に行ってくれることに。
  五味先生は子供にとっても優しくて、子供の心を掴むのが上手だ。
  嫌がる陸玖を「頑張れ!」「出来るよ!」と励ましてくれる。

  陸玖も私が言うと甘えから「嫌!」と言ってばかりなのに、五味先生に背中を
  押されると頑張ってみようかな。。。という気持ちになるみたい。

  それでもグズっていたら先生は最後の手段!?
  『ごほうび』作戦。

  先生:「今、食べたい物は何かな?」
  陸玖:「アメリカンドック!」
  先生:「そっか!、どこかに売ってるかな?」
  私 :「えっ?」
  先生:「ちゃんとできたら内緒で1本だけだぞ!」
  陸玖:「やった!」
  私 :「いいんですか?」
  先生:「本当に特別ですよ!内緒でね (^o^)」

  大好物のアメリカンドックにまんまと釣られ、陸玖は怖いと言いながらも
  放射線治療を頑張りました!
  周りにいた人みんなが「陸玖くん、頑張ったね!」「偉いよ!凄いよ!」と
  褒めてくれて陸玖もうれしそうで自信が付いたみたい。

  「最初は怖いかも知れないけど、やってみると時間もほんの少しだし、痛くないし
  怖いことはないんだと本人が分かれば出来るものです。」と先生。

  私は頑張った陸玖が愛おしくて、そして周りのみんなの暖かさがうれしくて
  また涙が出てしまいました。








 
プロフィール
2008年7月に愛する5歳の息子を脳腫瘍という病気で亡くしたママです。少しでも他の方のお役に立てたら、そして息子の頑張った姿を知って欲しくて。。。
陸玖の病気が発覚する以前に子育てに関するサイト「Happiness☆誕生〜子育て」を運営していました。陸玖が産まれて5歳までのことが綴られています。良かったら覗いてみてくださいね。
闘病日誌
異変
斜視?!
頭が痛い!
近くの総合病院
CTに写らない!?
救急車で・・・
告知
初めての入院
点滴が入らない
おしっこが出ない
放射線治療開始
中心静脈カテーテル挿入
抗がん剤を始める
入院のイラダチ
病棟イベント ハロウィン
遠足に行けない
自分で歩ける!
うれしい外出許可
放射線治療を嫌がる
順調な回復。でも頭痛が・・・
ドナルドがやってきた
外泊&誕生日パーティー
髪の毛が抜ける
病棟での誕生日
ベッドから落ちる
太ったね〜
スキップができる
X'masケーキを予約
病棟のお友達
わがまま
退院前のMRI検査
最後の放射線治療
静脈カテーテルを抜く
1度目の退院
 
自宅治療開始
遅れた七五三
初めての外来
嘔吐下痢症になる
涙の代替治療
保育園&空手 復帰
クリスマス
友人に告白
初めての迷子
新年
自宅で抗がん剤治療
強くなれ!
MRI検査
保育参観
風邪をひく
雪遊び&温泉旅行
蓄膿症になる
雪遊び ボードデビュー
CT検査
初めての電車
卒園式の練習
空手 昇級審査
年長さん
花見だ〜
セカンドオピニオン
播種(転移)が見つかる
夜の救急病院
 
2度目の入院
水頭症を発症
シャント手術
DSができない
強引な退院
 
車椅子の生活
涙の代替治療A
言葉が伝わらない
ディズニーランド
自由にならない体
眠れない夜
奇跡の風
みんなで旅行
 
3度目の入院
個室 付き添い
シャント交換
水頭症の悪化
延命治療の決断
お見舞い
床ずれ防止のエアマット
七夕 短冊への願い
気管挿管
保育園のお友達
けいれん止めの薬
気管切開する?
人工呼吸器を使う
延命治療@
添い寝をする
延命治療A
輸血する?
最後のケア
最後まで頑張ったね
みんなに見送られて・・・
天国の陸玖へ
陸玖のいない生活
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Library
脳腫瘍(小児脳腫瘍)
斜視
水頭症
中心静脈カテーテル
小児慢性特定疾患
セカンドオピニオン
放射線治療
お勧めサイト
脳外科医 澤村豊のホームページ
自治医科大学とちぎ子ども医療センター
セカンドオピニオン・ネットワーク公式サイト
NPO法人 脳腫瘍ネットワーク
 
朝日新聞に掲載されました

2011/1/25〜29の5日間
『患者を生きる』とい欄に、「この子らしく」という陸玖の闘病記録の記事を掲載していただきました。
閲覧はこちらから
 
LINK集
 
広げようリボン運動
ゴールドリボン
小児がんに関する啓発活動や、治療研究などへの経済的支援を求める運動をしています。
   
オレンジリボン
オレンジリボン運動で子ども虐待防止の輪を広げましょう。
子ども虐待防止「オレンジリボン運動」
 
細菌性髄膜炎から子ども達を守りたい
ヒブワクチンってご存知ですか?ワクチンで守れる『いのち』はあります!いのちの格差を無くすためにも現在、ヒブワクチンの定期接種化を求める署名活動をしています。
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