TOP > 初めての入院
 初めての入院
  2007年10月18日(木)

  病院から渡された「入院のご案内」を見ながら入院の準備をした。
  自分自身、出産の時にしか入院をしたことないのに子供が入院することに
  なるなんて。。。
  しかも脳腫瘍という難しい病気で。。。
  
  陸玖のパジャマや下着、コップ・タオル・お風呂セットや歯ブラシなど…。
  準備をしながら、「これは悪い夢じゃないんだ。。。」と、嫌でも現実を思い
  知らされて、また涙が溢れてくる。


  前日に陸玖が寝ている間に帰ってしまったので心配だし初日の今日は朝6時に
  家を出た。それでも車で1時間半は掛かるので、病院に着くのは7時半。
  朝だと通勤とかで道路も混むのかな。。。
  そんな思いと、昨日は救急車で病院へ行ったし帰りは夜で暗かったので、
  病院への道のりがちょっと不安。
  迷わずにちゃんと病院へ着けるかな?
  陸玖はもう起きてるかな?ママが居なくて泣いてないかな?
  たくさんの心配を胸に病院へ。

  どうにか道に迷わず病院へ到着。
  入院のためのたくさんの荷物を抱え陸玖の病室へ向かう。
  自分の子どもに会うのに、こんなにドキドキしたのは初めてじゃないかなって
  思うぐらい胸がドキドキしている。
  陸玖に会ったらどんな顔をすればいいのだろう。。。そんな事を考えたら
  また胸が苦しくなった。

  陸玖の前で泣かないように。。。そう、自分に気合を入れて病室へ。
  陸玖が私の顔を見た瞬間、「ママ〜」と泣き出した。
  やっぱり夜中に目が覚めて、ママとパパが居なくて不安で泣いたらしい。
  看護師さんに「朝になったらママが来るよ!」となだめられながらママが来る
  のをずっと待っていたみたい。

  そんな陸玖の顔を見たら、涙が出そうでどうしようもない。
  陸玖の顔が見たいけど、泣いてしまいそうで家から持ってきた荷物を
  片付ける振りをしながら目をそらして涙を拭き取る。

  陸玖が不安にならないよう明るくしなくちゃ!
  溢れそうな涙をぐっと堪えて、陸玖にいっぱい話しかけた。
  
  まずは昨日、陸玖が寝ている間に帰ってしまったことを誤って。。。
  これから少しの間、頭が痛いのを治すために入院しなくてはならないこと
  など5歳の子どもに分かるように、でも怖がらせないように言葉を選びながら
  陸玖に説明した。

  陸玖も頭が痛いのは確かに嫌なんだろうけど、親と離れて入院しなくては
  ならないのがどうしても嫌みたいで、説得するのに大変だ。

  陸玖も不安でいっぱいなんだよね。。。

  脳腫瘍の浮腫みを取るための点滴(グリセオール)を入れているけれど、
  なかなか頭痛が楽にならないので余計に不安みたいだ。
  私が少しでも陸玖の傍を離れると「行かないで」と泣き出してしまう。
  これじゃトイレにも行けないし食事なんてもっと無理だ。
  もっとも、この状況では食事を取る気にもならないけど。。。

  だけど、パパも仕事と弟くんの面倒にと頑張っている。
  私が倒れたら誰が陸玖の傍にいてあげられる?
  体調を崩して風邪など引いたら、病棟にさえ入れてもらえなくなってしまう。
  倒れる訳には行かない!と食欲はないけど無理やり食べ物を詰め込む。


  陸玖に付き添っていたら看護師長さんに呼ばれた。

  「急にこんなことになって動揺しているでしょうが・・・
  今後の治療費は、放射線治療や化学療法など高額になります。。。」

  小児慢性特定疾患医療給付』について説明を受けた。
  初めて聞く言葉・制度で、すぐに理解できないけど、これからの治療を費用を
  気にせず、陸玖に最善の治療を受けさせてあげるにはすぐに申請した方がいい
  ということは分かった。
  明日にでもパパに手続きしてもらおう!

  陸玖の治療も待ったなしの状況だ。
  放射線治療も本来、とても混んでいてすぐに治療に入れるか・・・と言われて
  いたけど来週には始められるように準備しましょう!と放射線治療を受ける
  ためのシェル(マスク)作りをしたりと、何だかやることがいっぱいだ…。

  昨日、パパの実家のみんなには陸玖の病気のことを報告したけれど、私の方
  の実家にはまだ報告していない。
  今日、帰ったら報告しないと。。。泣くんだろうな・・・私も泣いちゃうよな・・・。
  

  夜、陸玖が寝たのを確認して病院を後にする。
  車に乗った瞬間、涙が溢れてくる。
  泣かないようにと気が張っていたのが崩れていく。。。
  でも、これから帰って私の両親に陸玖の病気のことを報告しなくては・・・。

  実家に着いたのは夜9時半を過ぎていた。
  陸玖の病気のこと、治療が困難なこと、余命のこと・・・話しながら涙が止ま
  らない。なるべく泣かないように頑張っても、やっぱり両親の前では声を出して
  泣いてしまった。
  もちろん、両親も「何で・・・」と言って泣き崩れてしまった。
  
  家に帰り着いたのは何時になっていただろう。。。
  弟くんはとっくに寝ていた。
  パパに今日あったことを報告して、長い1日が終わった。
  



    
 

プロフィール
2008年7月に愛する5歳の息子を脳腫瘍という病気で亡くしたママです。少しでも他の方のお役に立てたら、そして息子の頑張った姿を知って欲しくて。。。
陸玖の病気が発覚する以前に子育てに関するサイト「Happiness☆誕生〜子育て」を運営していました。陸玖が産まれて5歳までのことが綴られています。良かったら覗いてみてくださいね。
闘病日誌
異変
斜視?!
頭が痛い!
近くの総合病院
CTに写らない!?
救急車で・・・
告知
初めての入院
点滴が入らない
おしっこが出ない
放射線治療開始
中心静脈カテーテル挿入
抗がん剤を始める
入院のイラダチ
病棟イベント ハロウィン
遠足に行けない
自分で歩ける!
うれしい外出許可
放射線治療を嫌がる
順調な回復。でも頭痛が・・・
ドナルドがやってきた
外泊&誕生日パーティー
髪の毛が抜ける
病棟での誕生日
ベッドから落ちる
太ったね〜
スキップができる
X'masケーキを予約
病棟のお友達
わがまま
退院前のMRI検査
最後の放射線治療
静脈カテーテルを抜く
1度目の退院
 
自宅治療開始
遅れた七五三
初めての外来
嘔吐下痢症になる
涙の代替治療
保育園&空手 復帰
クリスマス
友人に告白
初めての迷子
新年
自宅で抗がん剤治療
強くなれ!
MRI検査
保育参観
風邪をひく
雪遊び&温泉旅行
蓄膿症になる
雪遊び ボードデビュー
CT検査
初めての電車
卒園式の練習
空手 昇級審査
年長さん
花見だ〜
セカンドオピニオン
播種(転移)が見つかる
夜の救急病院
 
2度目の入院
水頭症を発症
シャント手術
DSができない
強引な退院
 
車椅子の生活
涙の代替治療A
言葉が伝わらない
ディズニーランド
自由にならない体
眠れない夜
奇跡の風
みんなで旅行
 
3度目の入院
個室 付き添い
シャント交換
水頭症の悪化
延命治療の決断
お見舞い
床ずれ防止のエアマット
七夕 短冊への願い
気管挿管
保育園のお友達
けいれん止めの薬
気管切開する?
人工呼吸器を使う
延命治療@
添い寝をする
延命治療A
輸血する?
最後のケア
最後まで頑張ったね
みんなに見送られて・・・
天国の陸玖へ
陸玖のいない生活
クリック募金サイト上の募金
ボタンをクリックするだけで、
無料で募金ができる仕組みです。
みんなで募金の輪を広げましょう!
 
 
Library
脳腫瘍(小児脳腫瘍)
斜視
水頭症
中心静脈カテーテル
小児慢性特定疾患
セカンドオピニオン
放射線治療
お勧めサイト
脳外科医 澤村豊のホームページ
自治医科大学とちぎ子ども医療センター
セカンドオピニオン・ネットワーク公式サイト
NPO法人 脳腫瘍ネットワーク
 
朝日新聞に掲載されました

2011/1/25〜29の5日間
『患者を生きる』とい欄に、「この子らしく」という陸玖の闘病記録の記事を掲載していただきました。
閲覧はこちらから
 
LINK集
 
広げようリボン運動
ゴールドリボン
小児がんに関する啓発活動や、治療研究などへの経済的支援を求める運動をしています。
 
オレンジリボン
オレンジリボン運動で子ども虐待防止の輪を広げましょう。
子ども虐待防止「オレンジリボン運動」
 
細菌性髄膜炎から子ども達を守りたい
ヒブワクチンってご存知ですか?ワクチンで守れる『いのち』はあります!いのちの格差を無くすためにも現在、ヒブワクチンの定期接種化を求める署名活動をしています。
免責事項
こちらで紹介している治療に関して本サイトは、あなたに対して保証できるものではありません。利用者が当ホームページの情報を用いて行う一切の行為について、何ら責任を負うものではありません。 本サイトを利用する場合は、自己責任にてお願い致します。
《重要》
ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。
Copyright (C) 2008  脳腫瘍と闘った小さな戦士 All Rights Reserved