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 最後まで頑張ったね。みんなに見送られて・・・
  2008年7月22(火)

  昨日の夜から、痰が吸引しずらくなっていた。
  そのため、陸玖の呼吸も苦しいらしく呼吸器の圧も上がっている。

  看護師さんが何度もスクイージングをして痰を吸引してくれるけれどなかなか
  摂りきれない。

  当直の脳外科の先生が陸玖の様子を何度も診に来てくれる。
  夜中に肺の様子を診るために、肺のレントゲンを撮った。
  レントゲンを見ると、痰が肺に広がってしまっているらしい。
  このままでは、呼吸が弱くなって最悪はそのまま・・・ということも考えられます。
  親しい人を呼んだ方が。。。
  と先生に告げられ、私はただ立ち尽くすだけ。。。

  とにかくパパを呼ばなきゃ!
  すぐにパパに電話して来て貰うことに。。。
  パパは弟くんを実家に預けすぐに駆けつけてくれた。
  それからすぐに、パパの方のお爺ちゃん&お婆ちゃん。私の方のお爺ちゃん
  も病院に駆けつけてくれた。

  みんなで静かに寝ている陸玖を囲む。
  外が明るくなって朝になった。

  五味先生や小熊先生も、駆けつけてくれた。
  呼吸が苦しそうなので、呼吸器の設定を上げて最大限の呼吸のサポートを
  する。本来はあまり設定を上げすぎると肺に負担が掛かるためにやらない
  けれど、今の陸玖にはそうしないと苦しい状態らしい。
  みんな、陸玖の顔とモニターの数値を交互に見続ける。

  
  早朝は、呼吸器のお陰で少し落ち着いていた。
  私達にも少し安堵感が漂った。

  そして、日勤の看護師さんが集まり始める朝8時過ぎ。
  モニターの心拍数がどんどん下がり始めた。
  モニターの音が鳴り響いて、先生や看護師さんが部屋に駆けつけてくる。
  みんな「陸玖くん!」と大きな声で陸玖を呼ぶ。
  私もパパも「陸玖!」と戻って来て!と、お願いするように呼ぶ。

  しかし、どんどん心拍が下がりもうダメか・・・というときに、小熊先生が
  「心臓マッサージなどの心肺蘇生を行ないますか?」と聞いてきた。
  「もし、心肺蘇生をしたとしても一時は蘇生しても、また・・・。それで回復する
  とは言えません・・・」と説明された。
  私達も今の陸玖を見ていて、先生の言っていることは解かる。
  
  パパが私に「もう、いいよな? もうこれ以上は、いいよな?」と問いかけた。
  私もパパと同じ答えだ。

  先生に私達の意志を伝えた。

  駆けつけた大勢の看護師さん達も、陸玖や私達のやり取りを見て泣いている。

  もう本当にダメか・・・と思って陸玖の手を強く握っていたら、みんなの呼び
  かけが聞こえたのか、心拍が少しずつ上がってきた。
  陸玖が頑張って戻ってきた!


  少しの間様子を診ていると、落ち着いてきたので、家族だけにしてあげようと
  先生や看護師さんたちは部屋から出て行った。

  私達は、ベッドを囲んで陸玖のすぐ傍でいろんな話をした。
  話をしながらも、みんなモニターの数値が気になって仕方ない。

  そして、10時半過ぎに急に心拍が0になった。
  心拍を測定するテープが外れた?と思ってしまうくらい急な出来事。
  呼吸器が付いているので、見た目は呼吸しているように見えるし。。。

  私やパパが「陸玖!」と声を掛けていると、先生や看護師さんが病室に
  駆け込んできた。
  それから私達が何度も陸玖の名前を呼んだけれど、今回は戻ってきてくれ
  ませんでした。

  午前10時41分、陸玖は天国へ逝ってしまいました。

  部屋には入りきれないほどの看護師さんが駆けつけてくれていました。
  そして、パパは「陸玖、最後まで良く頑張ったな!」と言って拍手をして
  ました。
  私も「陸玖、頑張ったね。これから、痛いことも苦しいことも無いからね。
  安心してね。。。」そう言いながら陸玖の手を握り締めてました。

  五味先生も「良く頑張ったな!」と言ってくれてます。

  今まで、陸玖は何度も急変した。
  それは大抵、早朝で先生が不在だったり、看護師さんの人数も居ないときが
  ほとんどだった。
  しかし、今日は3連休明けで看護師さんもみんな揃ってる。
  まるで、最後はみんな揃ってから・・・とタイミングを計ったようだったね。

  みんなに「ありがとう」と言いたかったのかな?



  少しして、看護師さんに「点滴の管や気管挿管のチューブを取ってあげましょう」
  と言われて処置中、一旦病室から出た。

  処置が終わり、病室に入ると、点滴も取れ、鼻のチューブや気管のチューブも
  無くなり顔がすっきり、尿道カテーテルも取ってもらい、楽になった陸玖が居た。
  
  全部取ってもらって、やっと楽になったね!
  今まで苦しかったよね。。。
  でも、もうこれで苦しいこともないよ。
  入院中はいろんな管に繋がれて、抱っこすることもできなかったけど、今なら
  抱っこできる。
  1ヶ月半ぶりの抱っこは、陸玖の大きさを感じることができた。
  入院前も、歩くのが大変だったりして、よく抱っこしてたけど、そのときより
  大きくなったかな?
  陸玖は病気と闘いながらも、成長していたんだね!

  さあ、みんなが待ってるよ。
  一緒にお家に帰ろうね。。。
  








 

プロフィール
2008年7月に愛する5歳の息子を脳腫瘍という病気で亡くしたママです。少しでも他の方のお役に立てたら、そして息子の頑張った姿を知って欲しくて。。。
陸玖の病気が発覚する以前に子育てに関するサイト「Happiness☆誕生〜子育て」を運営していました。陸玖が産まれて5歳までのことが綴られています。良かったら覗いてみてくださいね。
闘病日誌
異変
斜視?!
頭が痛い!
近くの総合病院
CTに写らない!?
救急車で・・・
告知
初めての入院
点滴が入らない
おしっこが出ない
放射線治療開始
中心静脈カテーテル挿入
抗がん剤を始める
入院のイラダチ
病棟イベント ハロウィン
遠足に行けない
自分で歩ける!
うれしい外出許可
放射線治療を嫌がる
順調な回復。でも頭痛が・・・
ドナルドがやってきた
外泊&誕生日パーティー
髪の毛が抜ける
病棟での誕生日
ベッドから落ちる
太ったね〜
スキップができる
X'masケーキを予約
病棟のお友達
わがまま
退院前のMRI検査
最後の放射線治療
静脈カテーテルを抜く
1度目の退院
 
自宅治療開始
遅れた七五三
初めての外来
嘔吐下痢症になる
涙の代替治療
保育園&空手 復帰
クリスマス
友人に告白
初めての迷子
新年
自宅で抗がん剤治療
強くなれ!
MRI検査
保育参観
風邪をひく
雪遊び&温泉旅行
蓄膿症になる
雪遊び ボードデビュー
CT検査
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卒園式の練習
空手 昇級審査
年長さん
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セカンドオピニオン
播種(転移)が見つかる
夜の救急病院
 
2度目の入院
水頭症を発症
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DSができない
強引な退院
 
車椅子の生活
涙の代替治療A
言葉が伝わらない
ディズニーランド
自由にならない体
眠れない夜
奇跡の風
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3度目の入院
個室 付き添い
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水頭症の悪化
延命治療の決断
お見舞い
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七夕 短冊への願い
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気管切開する?
人工呼吸器を使う
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陸玖のいない生活
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放射線治療
お勧めサイト
脳外科医 澤村豊のホームページ
自治医科大学とちぎ子ども医療センター
セカンドオピニオン・ネットワーク公式サイト
NPO法人 脳腫瘍ネットワーク
 
朝日新聞に掲載されました

2011/1/25〜29の5日間
『患者を生きる』とい欄に、「この子らしく」という陸玖の闘病記録の記事を掲載していただきました。
閲覧はこちらから
 
LINK集
 
広げようリボン運動
ゴールドリボン
小児がんに関する啓発活動や、治療研究などへの経済的支援を求める運動をしています。
   
オレンジリボン
オレンジリボン運動で子ども虐待防止の輪を広げましょう。
子ども虐待防止「オレンジリボン運動」
 
細菌性髄膜炎から子ども達を守りたい
ヒブワクチンってご存知ですか?ワクチンで守れる『いのち』はあります!いのちの格差を無くすためにも現在、ヒブワクチンの定期接種化を求める署名活動をしています。
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