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 涙の代替治療
  2007年12月11日(火)

  陸玖が退院して自宅で過ごすようになると、私にも少し時間の余裕が出来る
  ようになってきた。

  大学病院の医療技術で、陸玖にとって一番良い治療を行なっている。
  放射線治療もして一時的とはいえ、元に戻ったかのように元気になった。
  海外でも使われているという抗がん剤(テモダール)も飲んでいる。

  だけど、退院時に先生に言われた”半年…”を受け入れなきゃと思いつつ
  やっぱり受け入れられない。

  大学病院の先生達の治療が気に入らないという訳ではない。
  むしろ、五味先生のことは、陸玖も私達も信頼している。
  でも…でも、このまま毎日が過ぎて行くのを何もしないで待っていられない
  自分達も何かできないか、もし陸玖の最後が来たときに精一杯やることは
  やったと納得できるように。。。

  毎晩のようにネットで癌について、脳腫瘍について検索し続ける。
  何かないか、何かないかと、毎晩、毎晩。。。。

  癌の代替医療のサイトは山のようにある。
  どれが、本当に効くのか?
  「余命3ヶ月と告げられたのに奇跡の復活!」などと書かれた体験談を
  読むと、引き込まれてしまう。

  怪しいと思いながら”藁をも掴む”とはこんな気持ちだろう。


  医療の世界では、莫大な金額を掛けて新薬の開発をしている。
  それでも助けられない病気がある。。。

  「キノコやお茶で癌が治る訳がない!」
  解っているつもりでも、これで治った!と聞くと試さずにはいられない。。。
  
  さまざまな代替医療のサイトを見て回るけど、どれも子どもには不向きな
  ものばかり、味が苦かったり、大量に摂取しなければならないとか。。。
  なるべく、メンタルな面で陸玖に負担を掛けたくないので、注射なんてもっての
  ほかだし、せっかく退院して自由な時間が出来たのだから、遠方へ出かけな
  ければならない治療や入院しての治療もパスだ。。。


  そんなことを考えながら、サイトを探していると”低分子のフコイダン”が
  目に止まった。
  ”フコイダンには、がん細胞をアトポーシスする作用があると・・・・”などと
  あり、これなら効くのでは?!

  思い立つとすぐ行動してしまう私は、すぐにサンプルを請求しちゃいました。




  サンプルが届き、早速 陸玖に飲んでみよう!と勧めたけど、怪しげな
  飲み物に陸玖はかなり引いている。。。

  ”これを飲むと、元気になるんだってよ!”なんて言いながら、再度 勧めて
  みる。。。
  ちょっとだけ、飲んでみた。
  「マズイ〜」と言って吐き出した ( ̄▽ ̄;)!!ガーン
  やっぱり、子どもに代替医療は無理なのかな・・・・。

  それでも、何となくコレなら効くかも。。。という根拠のない直感で、諦めきれず
  販売会社のスタッフに相談してみた。

  冷やしてストローで飲むと飲みやすくなるらしい。。。
 
  早速、再チャレンジ。
  陸玖は、かなり拒絶してる。。。
  でも、飲めば治るかもしれない。。。そんな風に思い込んでしまっていた
  私は、陸玖に「お願いだから、飲んでー。」と何度もお願いする。

  陸玖 「ヤダ!」
  ママ 「ちょっとだけでいいから・・・」
  陸玖 「ヤダ!」
  ママ 涙が出てきて「お願いだから・・・」
  そのうち陸玖も泣いちゃった。
  でも、陸玖は泣きながらサンプルのフコイダンを飲んでくれました。

  飲めそう?と聞くママに、陸玖は何とも返事できない感じだけど、そのときの
  私は、飲めば治るかも、奇跡が起きるかもと思い込んでいたのでしょう。
  フコイダンを注文しちゃいました。




  注文したフコイダンが届き、毎日少しずつ陸玖に飲ませました。
  でも、やっぱり液体だと飲みづらいみたい。
  私も少し味見したけど、決して美味しくないし、飲みづらい味でした。

  そのフコイダンはカプセルタイプも販売されていました。
  カプセルは抗がん剤で慣れている陸玖。
  こっちの方が、陸玖に負担がないと思い、カプセルタイプに変更しながら
  再発する翌年の4月までまでフコイダンを飲んでいました。




  この”超低分子フコイダン”お値段も高いです。
  ビックリ価格です!
  でも、マインドコントロールされているかのように、これが陸玖を助けてくれる
  魔法の飲み物だから。。。と値段なんて気にしてられませんでした。

  フコイダンの代替医療にお金が掛かることを知った、両方のお爺ちゃん&
  お婆ちゃん達が、陸玖のために使って…とフコイダンを買うお金を差し出して
  くれた。
  みんなが陸玖を心配している。腫瘍が消えてくれることを祈っている。
  そんな思いのこもったお金を前に、涙が止まらない。
  みんなで絶対に陸玖を助けてあげるからね!

  一緒に頑張ろうね!




  結果的に、陸玖は退院して半年経たずに再発してしまいました。
  この代替医療はどうだったのか。。。
  正直、解りません。
  飲んでいたから、そこまで頑張れたのか、飲まなかったら再発がもっと早かった
  のか・・・・。
  それとも、何の効果も無かったのか。。。。

  ただ、残された私達の気持ちが少し違ったかもしれません。
  気になっていていたのに代替治療をしなかったら、再発したときに、「あのとき
  代替治療をしていたら。。。」と後悔したかもしれません。

  どっちにしても、再発して結果、亡くなってしまうと何をしても後悔してしまい
  ますが、やらないよりはやって後悔の方が気持ちが違うのかな。。。

  だけど、飲みづらいフコイダンを泣きながら飲んだ陸玖を思い出すと
  今になっては、そこまでしなくても良かったのかも。。。と自分を責める日々
  でもあり、これで良かったのか答えは未だに出ません。
  


  陸玖、無理させちゃって ごめんね。。。



 

プロフィール
2008年7月に愛する5歳の息子を脳腫瘍という病気で亡くしたママです。少しでも他の方のお役に立てたら、そして息子の頑張った姿を知って欲しくて。。。
陸玖の病気が発覚する以前に子育てに関するサイト「Happiness☆誕生〜子育て」を運営していました。陸玖が産まれて5歳までのことが綴られています。良かったら覗いてみてくださいね。
闘病日誌
異変
斜視?!
頭が痛い!
近くの総合病院
CTに写らない!?
救急車で・・・
告知
初めての入院
点滴が入らない
おしっこが出ない
放射線治療開始
中心静脈カテーテル挿入
抗がん剤を始める
入院のイラダチ
病棟イベント ハロウィン
遠足に行けない
自分で歩ける!
うれしい外出許可
放射線治療を嫌がる
順調な回復。でも頭痛が・・・
ドナルドがやってきた
外泊&誕生日パーティー
髪の毛が抜ける
病棟での誕生日
ベッドから落ちる
太ったね〜
スキップができる
X'masケーキを予約
病棟のお友達
わがまま
退院前のMRI検査
最後の放射線治療
静脈カテーテルを抜く
1度目の退院
 
自宅治療開始
遅れた七五三
初めての外来
嘔吐下痢症になる
涙の代替治療
保育園&空手 復帰
クリスマス
友人に告白
初めての迷子
新年
自宅で抗がん剤治療
強くなれ!
MRI検査
保育参観
風邪をひく
雪遊び&温泉旅行
蓄膿症になる
雪遊び ボードデビュー
CT検査
初めての電車
卒園式の練習
空手 昇級審査
年長さん
花見だ〜
セカンドオピニオン
播種(転移)が見つかる
夜の救急病院
 
2度目の入院
水頭症を発症
シャント手術
DSができない
強引な退院
 
車椅子の生活
涙の代替治療A
言葉が伝わらない
ディズニーランド
自由にならない体
眠れない夜
奇跡の風
みんなで旅行
 
3度目の入院
個室 付き添い
シャント交換
水頭症の悪化
延命治療の決断
お見舞い
床ずれ防止のエアマット
七夕 短冊への願い
気管挿管
保育園のお友達
けいれん止めの薬
気管切開する?
人工呼吸器を使う
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最後のケア
最後まで頑張ったね
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天国の陸玖へ
陸玖のいない生活
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Library
脳腫瘍(小児脳腫瘍)
斜視
水頭症
中心静脈カテーテル
小児慢性特定疾患
セカンドオピニオン
放射線治療
お勧めサイト
脳外科医 澤村豊のホームページ
自治医科大学とちぎ子ども医療センター
セカンドオピニオン・ネットワーク公式サイト
NPO法人 脳腫瘍ネットワーク
 
朝日新聞に掲載されました

2011/1/25〜29の5日間
『患者を生きる』とい欄に、「この子らしく」という陸玖の闘病記録の記事を掲載していただきました。
閲覧はこちらから
 
LINK集
 
広げようリボン運動
ゴールドリボン
小児がんに関する啓発活動や、治療研究などへの経済的支援を求める運動をしています。
   
オレンジリボン
オレンジリボン運動で子ども虐待防止の輪を広げましょう。
子ども虐待防止「オレンジリボン運動」
 
細菌性髄膜炎から子ども達を守りたい
ヒブワクチンってご存知ですか?ワクチンで守れる『いのち』はあります!いのちの格差を無くすためにも現在、ヒブワクチンの定期接種化を求める署名活動をしています。
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