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 お見舞い
  2008年6月7日(土)

  昨日のけいれんを境に、陸玖の症状は一気に悪化してしまった。
  意識もしっかりしないし、目も開けることもない、体を動かすこともないし
  「手を握ってごらん」という先生の問いかけに、わずかに反応する程度。

  でも時折、手を握ると握り返してくれたり、薄っすらと目を開いたり、首を
  動かしたり、こちらの声はちゃんと陸玖に届いてる。
  陸玖はちゃんと解っている。そう思えると、回復への希望はまだ捨てられない。




  午前中に看護師さんから「保育園の先生がいらしてますよ」と声を掛けられ
  病棟の入り口へ向かうと、園長先生や担任の先生がお見舞いに来てくれて
  いた。
  一度に大勢は無理なので、担任の先生2人が面会してくれることに。。。
  先生が陸玖に優しく声を掛けてくれるけど、陸玖の反応は少ない。。。
  それでも一生懸命、陸玖に話しかけてくれる先生の気持ちがありがたくて
  涙が出そうになる。

  先生から、仮面ライダーキバのパジャマとクラスのみんなからの絵や
  励ましの言葉が書かれた画用紙を綴ったものをプレゼントして頂いた。

  クラスのみんなが書いてくれた絵やメッセージは、まだ年長さんになった
  ばかりなので、読むのが大変?!。だけど、みんな上手に書けていて、
  陸玖も元気だったらこんな風に上手に絵や文字が書ける頃なんだな・・・と
  つい思ってしまう。。。

  みんなの気持ちがいっぱい詰まった素敵なプレゼントをいただいて陸玖も
  喜んでいたと思います。
  



  陸玖の急変の知らせを聞いて、今日はパパの方のお爺ちゃん、お婆ちゃん
  お兄さん家族にお姉ちゃん、そしてウチの弟くんも。。。みんなでお見舞いに
  来ることになった。

  本来なら、両親と祖父母しか面会できないのが病院の規則だけれど、陸玖の
  容態を考慮してくれて、陸玖に会わせたい人なら誰でも面会OKの特別な
  許可を頂いた。

  それだけ、いつ陸玖が急変して危険な状態になるか解らないということなの
  だろう。。。

  それにしても、パパの実家家族は人数が多いので2回に分けて面会する
  ことになった。
  みんな、ちょっと前まではパパの実家で一緒にお婆ちゃんの手打ち蕎麦を
  美味しそうに食べていた陸玖を見ていただけに、ほんの数日でこんなに
  変わってしまったことに驚きを隠せない。

  きっとみんな、涙が出るのを必死で我慢しながら、陸玖には声は聞こえて
  いるから・・・と言って、「陸玖、頑張って〜」とエールを送ってくれる。
  そしてみんなが陸玖の手を握って、陸玖のかすかな反応を確かめていた。

  そして、帰り際にみんなに「ママも頑張って!」と声を掛けられると張り詰めた
  気が緩んで、涙がこぼれそうになる。



  2008年6月8日(日)

  午前中に、年中時の保育園の担任の先生がお見舞いに来てくれた。
  1回目の入院の時は、病棟の入り口の自動ドア越しにしか面会できなかった
  けど、今回は陸玖に会わせたい人は面会フリーなので保育園の先生も
  病室に入ってもらえた。

  保育園の先生たちも、陸玖の急変に驚いている。
  あまりの変わりように最初、声が出ない。。。
  それでも、「りっくん、○○先生が会いに来たよ〜」と明るく声を掛けてくた。
  今のところは手を握ると握り返してくれたり、反応があるので先生たちにも
  手を握ってもらった。



  この週末、陸玖の急変の知らせを聞き心配で面会にきてくれる人たちが
  多かった。
  本当なら、両親・祖父母以外は面会できないはずなのに、陸玖の部屋だけ
  いろんな人が出たり入ったりしている。
  しかも、陸玖のいた個室は病棟内でもど真ん中。
  さすがにちょっと目立ち過ぎだろう。。。ということで、病棟の一番はしの
  目立たない個室へ移動することになった。

  その部屋なら、スタッフ専用の出入り口の傍なので、看護師さんに声を掛け
  れば面会の人はその入り口から出入りができるようになる。
  それに、本来の決まった面会時間でなくても面会できるように許可を頂いた。

  そこまで、優遇していただけると本当にありがたい。
  先生や看護師さんも、陸玖くんが頑張っている姿を見てもらってくださいと
  言ってくれていました。



  夕方になると今度は、一緒に雪遊びに行ったり、温泉に入ったりした、家族
  ぐるみのお付き合いの、あっくん&ゆみちゃん夫婦がお見舞いに来てくれた。

  あっくん&ゆみちゃん夫婦も陸玖を見て動揺しているみたいだけど、いつもの
  ように明るく陸玖に声を掛けてくれる。

  あっくんは、いつも陸玖に話している口調で「早く元気になって、退院して
  バーベキューしようぜ!」って言ってくれた。

  ちゃんと陸玖は聞こえてたよね!
  あっくん&ゆみちゃん夫婦の話しかけにもちゃんと目や首を動かして反応
  してたもんね!

  みんな、陸玖が元気になって戻ってくるのを待ってるよ!
  頑張って奇跡を起こそう。



  
  あっくん&ゆみちゃん夫婦が帰った後、日曜日なのに五味先生が部屋に
  顔を出してくれた。

  五味先生はいつも大きな声で、「陸玖く〜ん。解かるかい?」
  「解かったら、手をぎゅってしてごら〜ん」と声を掛ける。

  陸玖も、かすかだけど五味先生の声に答えて反応しているようだ。


  いつもの診察なら、その後は「じゃ、また・・・」と言って部屋を出て行くのだ
  けれど、日曜日ということもあってか、その日は陸玖の顔をじーと見つめて
  いた五味先生。

  そんな先生を見て、つい私もいつも心の中でモヤモヤしていたことを
  口に出してしまった。

  「どうにかならないですか?」「本当に、もう何も方法はないんですか?」
  「手術とかして、もう少し楽になるとか。。。何か方法はないんですか?」
  ずっと聞きたいけど、聞いても答えは解かりきっているから聞くことも
  出来なかったことが、口に出したら止まらない。

  こんなこと今、五味先生に言ったところで困らせるだけだって解かっている
  のに、「陸玖を助ける方法は本当にないんですか?」
  「助けてください・・・。」

  五味先生も困った様子。
  答えは、もう何度も聞いていること。解かっている。解かっているけど。。。
  口に出したら止まらなくなってしまった。

  これは私の愚痴です。
  誰かに聞いて欲しかっただけなのかもしれません。
  先生は、そんな私に、きちんと説明してくれました。
  
  五味先生、困らせてすみませんでした。
  でも、思いっきり疑問をぶつけて、愚痴を聞いてもらってすっきりしました。
  ありがとうございました <(_ _)>
  

 



 

プロフィール
2008年7月に愛する5歳の息子を脳腫瘍という病気で亡くしたママです。少しでも他の方のお役に立てたら、そして息子の頑張った姿を知って欲しくて。。。
陸玖の病気が発覚する以前に子育てに関するサイト「Happiness☆誕生〜子育て」を運営していました。陸玖が産まれて5歳までのことが綴られています。良かったら覗いてみてくださいね。
闘病日誌
異変
斜視?!
頭が痛い!
近くの総合病院
CTに写らない!?
救急車で・・・
告知
初めての入院
点滴が入らない
おしっこが出ない
放射線治療開始
中心静脈カテーテル挿入
抗がん剤を始める
入院のイラダチ
病棟イベント ハロウィン
遠足に行けない
自分で歩ける!
うれしい外出許可
放射線治療を嫌がる
順調な回復。でも頭痛が・・・
ドナルドがやってきた
外泊&誕生日パーティー
髪の毛が抜ける
病棟での誕生日
ベッドから落ちる
太ったね〜
スキップができる
X'masケーキを予約
病棟のお友達
わがまま
退院前のMRI検査
最後の放射線治療
静脈カテーテルを抜く
1度目の退院
 
自宅治療開始
遅れた七五三
初めての外来
嘔吐下痢症になる
涙の代替治療
保育園&空手 復帰
クリスマス
友人に告白
初めての迷子
新年
自宅で抗がん剤治療
強くなれ!
MRI検査
保育参観
風邪をひく
雪遊び&温泉旅行
蓄膿症になる
雪遊び ボードデビュー
CT検査
初めての電車
卒園式の練習
空手 昇級審査
年長さん
花見だ〜
セカンドオピニオン
播種(転移)が見つかる
夜の救急病院
 
2度目の入院
水頭症を発症
シャント手術
DSができない
強引な退院
 
車椅子の生活
涙の代替治療A
言葉が伝わらない
ディズニーランド
自由にならない体
眠れない夜
奇跡の風
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3度目の入院
個室 付き添い
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水頭症の悪化
延命治療の決断
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七夕 短冊への願い
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保育園のお友達
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人工呼吸器を使う
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最後のケア
最後まで頑張ったね
みんなに見送られて・・・
天国の陸玖へ
陸玖のいない生活
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脳腫瘍(小児脳腫瘍)
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水頭症
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セカンドオピニオン
放射線治療
お勧めサイト
脳外科医 澤村豊のホームページ
自治医科大学とちぎ子ども医療センター
セカンドオピニオン・ネットワーク公式サイト
NPO法人 脳腫瘍ネットワーク
 
朝日新聞に掲載されました

2011/1/25〜29の5日間
『患者を生きる』とい欄に、「この子らしく」という陸玖の闘病記録の記事を掲載していただきました。
閲覧はこちらから
 
LINK集
 
広げようリボン運動
ゴールドリボン
小児がんに関する啓発活動や、治療研究などへの経済的支援を求める運動をしています。
   
オレンジリボン
オレンジリボン運動で子ども虐待防止の輪を広げましょう。
子ども虐待防止「オレンジリボン運動」
 
細菌性髄膜炎から子ども達を守りたい
ヒブワクチンってご存知ですか?ワクチンで守れる『いのち』はあります!いのちの格差を無くすためにも現在、ヒブワクチンの定期接種化を求める署名活動をしています。
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