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 救急車で…
  2007年10月17日(水)

  MRI検査の予約をした日。
  今朝の陸玖は頭が痛いとは言っていないけど足どりがちょっとフラつくので
  パパも一緒に行ってもらうことに。
  それに、ここ最近の陸玖の様子を見ていても、ただ事ではない気がして
  とても私1人では行けない気分でした。

  病院につくと早速、小児科で眠くなるお薬を処方してもらい、美味しくない
  みたいで嫌がりながら飲んだ。
  しばらくすると眠くなってくると思うので、それまでは飲食したりしてかまわない
  と言われたので3人で売店に行った。

  パンやジュースを買って美味しそうに食べる陸玖。あまり眠そうではないけど
  本当に眠くなるの?と不思議に思っていたら、そのうち少し眠そうになってきた。
  「眠いなら寝ていいんだよ」と言って抱っこしてあげても、慣れない病院の中
  なのでなかなか寝付けない様子。

  「そろそろ検査の時間です」と看護師さんが迎えに来てくれた。
  みんなでMRIの検査室へ向かう。

  MRIの検査室は待ち合い室も狭いし、何だか薄暗い。
  陸玖も「怖い!」と寝るどころでは無くなってしまった。

  それでもどうにか、なだめながら眠るように促すけれど全然眠れない。。。
  MRIは検査予約が びっちり入っているというのに。。。
  私たちの「早く寝て〜」という焦りが余計に悪影響を与えてしまい、ますます
  眠れない。。。

  結局、順番を抜かしてもらいながら、陸玖の睡眠待ち。
  そのうちまた「頭が痛い」と言い出した。
  さっき軽く食事もしたし頭痛薬を飲ませて様子を見ていたら、薬が効いたようで
  やっと陸玖が寝てくれた。

  起こさないように細心の注意をしてMRIのベッドに寝かせて検査の開始だ。
 
  私たちは待ち合い室で、じっと待つしかない。
  MRIは大きな音がするって言うし、途中で起きないかな?
  大丈夫かな?という心配と脳に何か異常があったら・・・という不安で落ち
  着いていられませんでした。

  待ち合い室からMRIの操作室が見えた。MRIで撮影しているような画像が
  パソコンの画面に映っていた。

  今、映っているのは陸玖の???
  素人の私たちが見ても、何だか脳の真ん中に大きな何かがある気がする…。
  心臓の音が外に聞こえそうなくらいバクバクしてる。
  まさかね?!

  脳のMRI画像なんてまともに見たことないんだから、私たちに分かるはず
  ないよね! でも、3日前に撮ったCTの画像にはそんなの無かったよね・・・
  そんな話しをパパとしながら2人とも不安でいっぱいだ。

  MRI検査は20分〜30分程度だったのかな。。。
  でも、とても長く感じた。

  検査が終わり、陸玖は寝ぼけている状態で小児科の診察室へと運ばれた。
  私たちも一緒に小児科へ。

  少し待っていると診察室へ呼ばれた。

  陸玖がいない!!    隣の部屋で処置中とのこと。。。

  先生の顔から緊張感が伝わってくる。
  陸玖の頭のMRI画像が映し出されている。
  私が見てもやっぱり脳の真ん中に何かある!

  先生から説明を受ける。


  脳の真ん中に写っているのは腫瘍です。
  この腫瘍が原因で目の斜視や歩行障害などになっています。
  すぐ治療しなくてはいけません。
  ウチの病院にも脳外科はありますが、子供なので小児科の先生と脳外科の
  先生とで診察して行くことになってしまいます。治療も困難になるでしょう。
  自治医科大学病院に「とちぎ子ども医療センター」という子ども専門の医療
  機関があるのでそちらの方が治療がスムーズに行くと思います。

  と説明されました。


  陸玖が「脳腫瘍!」、「治療が困難!?」何を言っているのか、心臓がドキドキ
  してよく聞こえない。
  でも、すぐに治療しなくちゃいけなくて、自治医大の方がいいって言うなら
  そうしよう!とにかく早く治療しなきゃ!

  しかも腫瘍がある所は手足の神経はもちろん、呼吸の神経もある所なので
  移送中に万が一のことがあっては大変だからと小児科の先生と一緒に救急車
  で移送されることに。

  「万が一」ってどういうこと???
  頭が真っ白になっていました。

  救急車の準備が出来て、陸玖も初めての点滴や救急車で不安そう。
  ここは私がしっかりしなきゃ。陸玖をこれ以上、不安にさせないように。

  自治医大って名前は聞いたことはあったけど、いったいどこにあるのだろう。。。
  そんなことを思いながら、陸玖を不安にさせないよういろいろと話しかける。

  ときどき付き添ってくれた先生とも話をする。いろいろ聞きたいけど陸玖が
  いるし。。。陸玖だってもうすぐ5歳。いろいろと大人の話も分かってくる年頃だ。
  やたらなことは聞けない。。。

  それでも、腫瘍のことが気になってしょうがない。

  私:「素人が見ても大きいと思うんですけど。。。」
  先生:「そうですね。。。小さくはないですね。」と言葉が少ない。
  私:「治りますよね?」
  先生:「自治医大へ行って、もう一度、詳しく検査をすると思います。。。」

  言葉を濁す先生。
  移送も1時間以上掛かっているので陸玖も飽きてきた。
  起き上がって救急車の揺れでよろける陸玖をとても心配そうに見ている先生。

  また心臓がバクバクしてきた。

  この時はまだ、最近は医療も進んでいるし脳腫瘍だって手術して取れれば
  きっとまた元気になれる!
  治療中は大変かもしれないけど、頑張って治療すれば治る!と思っていました。
  テレビとかでも難しい手術を取り上げては成功してるじゃない!
  きっと、大丈夫。きっと。。。。
  そう思って前向きに考えようと必死でした。


  
 
プロフィール
2008年7月に愛する5歳の息子を脳腫瘍という病気で亡くしたママです。少しでも他の方のお役に立てたら、そして息子の頑張った姿を知って欲しくて。。。
陸玖の病気が発覚する以前に子育てに関するサイト「Happiness☆誕生〜子育て」を運営していました。陸玖が産まれて5歳までのことが綴られています。良かったら覗いてみてくださいね。
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脳外科医 澤村豊のホームページ
自治医科大学とちぎ子ども医療センター
セカンドオピニオン・ネットワーク公式サイト
NPO法人 脳腫瘍ネットワーク
 
朝日新聞に掲載されました

2011/1/25〜29の5日間
『患者を生きる』とい欄に、「この子らしく」という陸玖の闘病記録の記事を掲載していただきました。
閲覧はこちらから
 
LINK集
 
広げようリボン運動
ゴールドリボン
小児がんに関する啓発活動や、治療研究などへの経済的支援を求める運動をしています。
 
オレンジリボン
オレンジリボン運動で子ども虐待防止の輪を広げましょう。
子ども虐待防止「オレンジリボン運動」
 
細菌性髄膜炎から子ども達を守りたい
ヒブワクチンってご存知ですか?ワクチンで守れる『いのち』はあります!いのちの格差を無くすためにも現在、ヒブワクチンの定期接種化を求める署名活動をしています。
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